子供の緊張で「手の震え」は弱さ?親のNGな声かけと実力を出すサポート法
子ども達が自分の力を信じ、目標達成に向けて進めるようお手伝いをするメンタルコーチの手塚幸恵です。
水泳指導歴25年以上で様々な子供たちを指導してきた経験から、スポーツで頑張りたい子どもたちのメンタルサポートをしています。
また、人と接するのが苦手、自分に自信がなかった過去の自分が変われた!経験から、メンタルコーチとして夢や目標を叶えるサポートをしています。

「試合前になると、子どもの手が小刻みに震えている」
「発表の直前、顔がこわばって何も話さなくなる」
そんな我が子の姿を前に、胸がギュッと締めつけられた経験はありませんか?
「なんとか落ち着かせたい」
「いつもの力を出させてあげたい」
そう思うのは、親として自然な感情です。
しかし実は、その「良かれと思った一言」が子どもの緊張をさらに強めてしまっていることがあります。
この記事では、
・緊張している場面でやってはいけないこと
・なぜそれが逆効果になるのか
・では、親はどう関われば良いのか
家庭ですぐ実践できる形でお伝えします。
手が震えるのは「弱さ」ではありません
まず大前提として知っておいていただきたいことがあります。
手の震えは、心が弱いから起こる現象ではありません。
人は緊張すると、脳が「大事な場面だ」と判断し、自律神経が働きます。
心拍数が上がり、血流が増え、筋肉がいつでも動ける状態になります。
この時、細かい震えが出ることがあります。

つまり、
手が震える=体が本気モードに入っている
というサインでもあるのです。
ところが、子ども自身は
「震えている自分はダメだ」
「みんなに変に思われるかも」
と不安を感じています。
ここで親まで動揺してしまうと、子どもは「やっぱりダメなんだ」と確信してしまいます。
親が最初にできるサポートは
「これはおかしなことじゃない」と心の中で理解することです。
親の落ち着きは、必ず子どもに伝わります。
親がついやりがちな「NG対応」
ここからは、よくある具体例を挙げていきます。
どれも悪気はありません。
むしろ、「良かれと思って」言っている言葉ばかりです。
「落ち着いて!」
最も多い声かけです。
ですが、子どもは「今、落ち着いていない自分はダメなんだ」
「またできていないって思われた」と、心の中で変換してしまいます。
落ち着けないから困っているのに、「落ち着いて」と言われることで、さらに焦ってしまうのです。
その結果
・急に口数が減る
・目線が下がる
・返事だけして動かなくなる
こんな反応が起こりやすくなります。
「あの時、急に黙り込んだなぁ」
そんな記憶がある方も多いのではないでしょうか。
「大丈夫だから、震えないで」
この言葉も要注意です。
子どもは「あっ、本当に震えている」「止めなきゃ」と、自分の手に意識を集中し、震えを止めようとします。
止めようと意識するほど、震えは強くなりやすいです。
その結果
・手を強く握りしめる
・ポケットや後ろに手を隠す
・からだ全体が固くなる
といった反応が出てきます。
子どもがポケットに手を入れているのを見て、「態度が悪い!」と注意した経験はありませんか?
もしかしたら、緊張や震えを隠していたのかもしれません。
「そんなに緊張してどうするの?」
無意識に出してしまいがちな一言ですが、これは子どもの自己肯定感を大きく下げます。
「緊張している自分は情けない」
「親をがっかりさせている」
そんな思いが心に積み重なってしまいます。
その結果
・強がって「別に」と言う
・急に不機嫌になる
・親から距離を取ろうとする
といった行動につながりやすくなります。
一見すると反抗的に見えますが、実際は「弱い自分を守ろう」とする反応です。
「別に」と言われて、「だったらもう知らない!」と怒ったことはありませんか?

言葉がなくても伝わる「親の焦り」
言葉以上に影響するのが、親の表情や態度です。
・何度も時計を見る
・ため息をつく
・早口になる
子どもは驚くほど敏感に察知します。
「親が不安=何か大変なことが起きている」
「そんなに大事な場面なんだ」
「失敗しちゃいけないんだ」
そう感じ、緊張はさらに高まります。
その結果
・動きが小さくなる
・思い切りがなくなる
・いつもより慎重になりすぎる
といったことが起こり、「本来の力」が出にくくなります。
親自身が冷静になることが言葉をかけるよりも先にやることです。
なぜ、これらはやってはいけないのか
理由はシンプルです。
緊張している子どもは、すでに頭の中がいっぱいだからです。
心理学的に見ると、緊張状態では
・判断力
・注意力
・情報処理能力
が一時的に低下します。
その状態で「落ち着いて」「いつも通りやって」「失敗しないで」と抽象的な言葉を投げられると、子どもは「どうすればいいの?」と混乱します。

混乱は、不安を増やします。
不安は、緊張を強めます。
この悪循環を断ち切ることが親の役割です。
では、親はどう関わるのが良いのか
ポイントは一つだけです。
考えさせないこと。感じさせないこと。
呼吸に意識を向けさせる
最も即効性があるのが呼吸です。
ただし、説明は不要です。
✕「深呼吸して、ゆっくり吸って吐いて・・・」
〇「一緒に息を吐こうか」
親が先に、ゆっくり息を吐いて見せる。
それだけで、子どもの呼吸は自然と整っていきます。
体を少し動かす
緊張は体に溜まります。
・手をグーパーする
・肩をすくめてストンと落とす
・足踏みを2~3回する
「ちょっと体をほぐそうか」
この一言で十分です。
言葉は短く、評価を入れない
声かけは短く、判断を入れません。
・「今までやってきたね」
・「いつもの動きで良いよ」
・「今に集中しよう」
「勝とう」「失敗するな」といった結果に関する言葉は不要です。

家庭で育てる「緊張に強い土台」
本番だけで対応しようとすると、難しく感じます。
だからこそ、日常の関わりが大切です。
緊張する場面を「悪者」にしない
「緊張=ダメなもの」ではなく、「大事な時に出る自然な反応」として話題にしてみてください。
結果よりも「取り組み」を言葉にする
「勝てたね」より「最後まで集中してたね」
この積み重ねが「自分は大丈夫」という感覚を育てます。
まとめ
緊張で手が震えるのは、子どもが逃げずに向き合おうとしている証拠です。
親ができることは、震えを止めさせること、緊張をなくすことではありません。
安心してできる環境を作ること
それだけで、子どもは自分の力を発揮しやすくなります。
もし今日、「言い過ぎていたかも」「焦らせていたかも」そう感じたなら、それで十分です。
次の本番では、言葉を一つ減らして、呼吸を一緒にする。それだけで子どもの表情は変わります。
家庭での関わりが子どものメンタルを育てる一番のトレーニングです。
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子どもが目標や夢に向かって努力するのをサポートしたいけれど、どう関わっていたら良いのか分からない。
もっと子どもの力を引き出してあげたい。
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