がんサバイバーが自分らしく生きられるように

がん専門運動指導士として始動します

私はこの度、大阪がんセンター認定「がん専門運動指導士」となりました。
がんサバイバー(がんと診断された方、治療中の方、経験者の方、ご家族の方)に対して専門知識をもって「運動を提供します」

年間100万人が罹患するがん。
生涯で2人に1人がなる病気。
そう聞くと、他人事じゃない大変身近な病気であると感じます。
しかし、他の病気と異なり「死」のイメージが強い印象があります。
そう捉えがちですが、現在は早期発見、早期治療が進み、医療も進歩しました。
がんとともに生きていく時代なのです。
運動することで体力を回復し、日常生活を取り戻す。
精神的な不安を運動によって軽減することができます。

資格を取るきっかけ~母のがん罹患と肺血栓塞栓症~

私がどうしてがんサバイバーの方へ専門知識をもって、運動を提供したいと思ったのかを綴ります。

私の母は、2017年に子宮がんになり、全摘出の手術を受けました。
さらに、抗がん剤治療も行いました。
当時私は富山県在住でしたので、手術日に駆け付けただけで、その後の抗がん剤治療のつらさや退院後の生活の大変さを分かってあげることができませんでした。
髪は抜け、痩せてしまい・・・気丈に振舞っていた母でしたが精神的にも体力的にもきつかったはずです。

2018年。抗がん剤治療が終わり、つらさも一段落した頃でした。
リンパ節の切除もしていたので、左足がむくみやすくなっていました。

ある日、歩けないほどに足が痛むというので、急きょ富山から帰省しました。
母の足を見るとやはりむくみが。
今まで弱音を吐いたところを一度も見たことがなかったのですが、
「病院に連れて行って欲しい」と母が言いました。
私はかなり動揺しました。そんな母を見たことがなかったから。

病院へ行くと・・・
「即入院!」


なんと!!!ただの足のむくみではなく、肺血栓塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)で、病院に行くのが遅れていたら命が危うかったのです。
主治医が母の足を見て即座に「肺のCT検査を!」と指示した時は
「足なのに?肺?」と思いましたが・・・感謝しかありません。

普段から、母に「むくんでいるなら運動で足を動かしたら?」と言っていたことを猛省しました。


なぜならば、肺血栓塞栓症では「動かしてはいけない」からです。
動くと血栓がとんで、最悪の場合は死に至る場合もあるのです。

即入院の母は、絶対安静!!ですぐに治療が始められました。

私は、心の底から思いました。急きょ帰省して良かった、と。

母の肺血栓塞栓症は、がんによって体力が落ち、ほとんど動かない生活をしていたことも要因の一つと考えられます。
体力が落ちる➡動くとすぐ疲れる➡動きたくない➡さらに衰える
この悪循環を断ち切るために運動指導者としてサポートできないか?
いや!サポートしたい。
そういう想いが強く芽生えました。

資格を取るきっかけ~母の2度目のがん罹患~

回復し、日常生活を取り戻しつつあった母でしたが、
2020年夏、胆管がんが見つかりました。


子宮がんが5年経過で「良かったね」とホッとしたばかりの時でした。
胆管がんは子宮がんの転移などではなく、新しくできたがんでした。
私は、今度は富山ではなく実家に戻っていたので、いつでもそばに居られる状況でしたが、「コロナ」の影響で病院に行っても面会できず、母は一人で頑張りぬきました。
10時間に及ぶ手術。

私は、一度だけ面会することができました。
手術後3日目のことでした。
それは・・・「介護認定申請」について説明を受けるためでした。
病院では「退院後の生活サポート」として親切で話してくれたのだと思いますが、
まだ母の体にはいくつもの管が付けられている状況でした。
10日前まで普通に生活していたのに、急に「介護認定」の話をされるとは酷でした。
病室で私と一緒に話を聞いた母は、ショックを受けた様子でした。
「私は認定を受けなくても頑張る」とその時は、事態を受け入れられない様子でした。

資格を取るきっかけ~体力が落ちている状態での退院~

今の病院、医療はすごいですね。
手術から3週間、管がついた状態で歩けなかったのに、管を抜いた途端、歩くように指示され、2日後には退院。
自宅では、抗がん剤の服薬ほか、大量の薬を飲む毎日でした。


食欲は落ち、体重も落ちました。

そばで見ていて、「私に何ができるだろう」と、そればかり考えました。
運動で体力回復できないか?
でも、手術で臓器を摘出していたり、治療中で服薬中だったり・・・
急激に体重が落ちて筋肉も落ちて機能低下がみられる中、
本人はどう思っているのだろうか?運動をさせても良いのだろうか?
がんという病気を治療中の母にどう対応したらよいか不安でした。

入院、手術そして体力が十分に回復しないままに退院というあっという間の1か月でした。

たったの1か月。

しかし、その後の服薬治療等もあり母の体力、筋力、体重はなかなか元に戻りません。
ほとんど動かない生活でした。
時々散歩に誘ったりしましたが、コロナ禍ということもあり家にこもることが多くなりました。
そうしているうちに骨も弱り、とうとう骨粗鬆症による圧迫骨折をしてしまいました。

運動指導という仕事をしているのに、一番身近な人の体力を回復させてあげられない自分に不甲斐なさを感じました。

人生を楽しんでほしい~運動指導士としてサポートできること~

がんと共に生きる時代。
治療中であっても自分らしく生きるサポートをしたい。
ご本人はもちろん、ご家族の方も様々な思いを抱えていることでしょう。
運動を通して体力を回復し、気持ちも前向きになってほしいと切に願っています。

がん専門運動指導士として、がんサバイバーの皆さんに寄り添い、一緒に歩んでいきたいと思っています。
お一人お一人に合わせた運動を提供します。
そして、安心して運動を行っていただけるようにがんについて学び続け今後も精進します。

パーソナルレッスンのお知らせ

個別運動指導を承ります。

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