加齢による物忘れの原因と予防法~脳を健康に保つためのヒント~
福島県いわき市で活動している健康運動指導士、介護予防運動指導員の手塚幸恵です。
認知機能低下予防が期待できるシナプソロジー®というエクササイズの教育トレーナーであり、メンタルトレーナでもあります。運動することは脳の認知機能に良い影響を与えることが分かっています。運動のこと脳のことを分かりやすくお伝えし、運動実践につなげていただきたいと思っています。
こんな不安ありませんか?
「最近、名前が思い出せない」「買い物リストを忘れてしまう」そんな経験が増えていませんか?加齢とともに物忘れが増えるのは、多くの人が経験する自然な現象です。しかし、「これって認知症?」と不安を感じる方も少なくないでしょう。今回は、そんな不安を解消する3つについてお話しします。具体的な予防・対策方法を知って、実践!楽しみながら取り組んでみましょう。
①まず知ろう!加齢による物忘れの主な原因
物忘れが増える理由には、加齢に伴う脳の変化が関係しています。具体的には、以下の要因が影響を与えます。
海馬の萎縮
脳の中の海馬という、記憶をつかさどる部分が加齢とともに小さくなります。そのため、新しい情報を記憶しておくのが難しくなります。
神経伝達物質の減少
アセチルコリンという神経細胞同士が情報を伝えるのを助ける物質が減少します。そうすると、情報の伝達が遅れたり、新しい情報が定着しにくくなったり、物忘れが生じる場合があります。
血流の低下
加齢とともに脳の血流が低下します。そうすると、酸素や栄養が十分に供給されなくなり、記憶力や判断力などの認知機能が低下する可能性があります。
ストレスや睡眠不足
年齢を重ねるにつれて、ストレスに対する耐性が低下することがあります。また、体力の衰えなど健康の変化などでストレスが増えることもあります。慢性的なストレスや睡眠不足は、脳の働きを鈍らせ、記憶力を低下させる要因になります。
②チェックしてみよう!加齢による物忘れと認知症との違い
加齢による物忘れの原因について理解したところで、次に知っておきたいのは、その物忘れが認知症と、どう違うかという点です。単なる加齢による物忘れと、認知症という病気による物忘れには明確な違いがあります。物忘れに不安がある方はセルフチェックしてみましょう。そして、心配な場合には専門医やかかりつけ医に相談しましょう。
加齢による物忘れ
・特定の事を忘れる:
⇒例えば、鍵をどこに置いたか、名前を思い出せないなど。
・一時的なことが多い:
⇒少し時間が経つと、思い出すことができる。
・日常生活には大きな影響がない:
⇒時々忘れることがあっても、日常生活を送る上で大きな支障はありません。
認知症
・頻繁に物を忘れる:
⇒日常的に新しいことを覚えるのが難しくなり、最近の出来事をよく忘れる。
・生活に大きな影響が出る:
⇒予定や約束を忘れたり、道に迷ったりすることが増え、日常生活に支障をきたす。
・他の認知機能も低下する:
⇒例えば、判断力や計算能力、言葉を使う能力なども影響を受ける。
具体例
・加齢による物忘れ:
⇒友達と一緒に食事に行った時、名前が出てこない。でも少し考えたり、ヒントをもらうと名前を思い出す。
・認知症:
⇒食事に行く約束をしたこと自体を忘れてしまう。また、以前よく行ったレストランの場所を思い出せず、迷ってしまう。
③やってみよう!日常生活の中でできる物忘れ対策
加齢による物忘れと認知症の違いを理解した後は、日常生活で簡単に取り入れられる物忘れ予防策を実践してみましょう。物忘れを予防するためには、特別な道具や難しい手順は必要ありません。毎日の生活の中で少し工夫するだけで、脳を活性化し、記憶力を維持することができます。誰でも、無理なく取り組める、手軽で効果的な方法をご紹介します。楽しく、そして続けやすい予防策を取り入れて、毎日をもっと充実させてみませんか?
脳のトレーニングアプリを活用する
・具体例:
⇒パソコンやスマートフォン、タブレットを活用しておこなう
・効果:
⇒脳のトレーニングアプリは、記憶力、注意力、問題解決能力などを鍛えるための様々なゲームやエクササイズを提供しています。これらのアプリを日常的に使うことで、脳を活性化させ、物忘れを予防する効果が期待できます。
・楽しさ:
⇒アプリはゲーム感覚で楽しむことができ、飽きずに続けることができます。また、進捗状況を確認できるので、達成感も得られます。
メモやリストを活用する
・具体例:
⇒手帳やカレンダーに予定を書き込む。買い物リストを作成し、買い物前に確認する。
・効果:
⇒メモやリストを使うことで、忘れやすい情報や予定を整理し、覚えておくのが難しいことを補助します。特に、日々の予定や買い物リストをメモすることで、重要な情報を見逃さないようにできます。
・楽しさ:
⇒色とりどりのペンやシールを使って、メモ帳を楽しくデコレーションすることで、メモを取ること自体が楽しみになります。
・私も実践しています!:
⇒私は手書きの手帳を活用しています。スマートフォンで予定などを管理している方も多いですが、私は断然手書き派!予定、やることリスト、そして毎日の1行日記を記入しています。記憶だけでなく、ワクワクする気持ちも刺激され、脳活性化に役立ちます!
散歩する
・具体例:
⇒公園や近所を散策する
・効果:
⇒軽い有酸素運動として、脳への血流が増え、記憶力や注意力の向上に役立ちます。また、自然の中での散歩はリラクゼーション効果もあり、ストレス軽減にもつながります。
・楽しさ:
⇒美しい景色や季節の移り変わりを楽しみながら、リフレッシュすることができます。友人や家族と一緒に散歩することで、楽しい時間を共有できます。
・さらに!:
⇒道順を変えてみると、脳へ新たな刺激となり脳活性化につながります。
年だから仕方ない!で片づけないで!
加齢による物忘れは、適切な生活習慣の見直しによって予防・改善が可能です。「年だから仕方ない」で片づけずに、「物忘れが増えた」と感じたら、食生活や運動、睡眠、ストレス管理を見直し、脳を健康に保つ工夫をしましょう。また、認知症の可能性がある場合は早めの受診が重要です。日々の積み重ねが、将来の健康を左右します。今からできることを始めて、健やかな毎日を送りましょう。
※この記事は最新の研究データを基に執筆していますが、詳細な診断や治療については専門医にご相談ください。
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