認知機能UP!ウォーキングで脳を活性化しよう
福島県いわき市で活動している健康運動指導士、介護予防運動指導員の手塚幸恵です。
認知機能低下予防が期待できるシナプソロジー®というエクササイズの教育トレーナーであり、メンタルトレーナでもあります。運動することは脳の認知機能に良い影響を与えることが分かっています。運動のこと脳のことを分かりやすくお伝えし、運動実践につなげていただきたいと思っています。
運動が体に良いことはよく知られていますが、実は 脳の健康にも大きな影響を与えることをご存じでしょうか?
加齢とともに認知機能は低下しやすくなりますが、適切な運動習慣を取り入れることで脳を活性化させ、記憶力や思考力を維持・向上させることができます。
実際に、定期的に運動をしている人は、認知症のリスクが低いという研究結果も報告されています(参考:WHO「認知症予防のためのガイドライン」)。
運動が脳に与える効果|記憶力や思考力が向上する
では、運動が認知機能にどのような影響を与えるのでしょうか?
ポイントは 「脳の血流増加」「神経細胞の成長促進」「ストレスを減らす」の3つです。
1.脳の血流が増加する
有酸素運動をすると、心拍数が上がり、血液が脳へと多く送り込まれます。
すると、酸素や栄養素が脳の各部位に十分に行き渡り、細胞の働きが活性化します。
特に、記憶を司る 海馬(かいば) という部分は、運動によってその体積が増加することが研究で明らかになっています。海馬は「昨日の出来事を覚えておく」「新しいことを学ぶ」などの働きをしています。
「最近、物忘れが多い…」と感じる人は、運動不足が原因かもしれません。
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を習慣化することで、脳の血流を改善し、記憶力を維持する効果が期待できます。
2.神経細胞の成長を促す
運動をすることで、脳内で BDNF(脳由来神経栄養因子) というタンパク質が分泌されます。この物質は、神経細胞の成長を促進し、脳の可塑性(変化する能力)を高める 役割を持っています。神経細胞が増えると、「考える力」「判断する力」「集中力」などが向上します。
つまり、新しい情報を学習したり、複雑な思考をしたりする能力が向上するのです。
加齢とともにBDNFの分泌量は減少しますが、定期的な運動によって増やすことができるため、脳の老化を防ぐためにも運動は欠かせません。
「集中力が続かない・・・」と感じる時は、5~10分でも良いので軽く体を動かすと頭がスッキリするかもしれません。
3.ストレスが減り、脳がリラックスする
運動をすると、「エンドルフィン」 というホルモンが分泌されます。これは「幸せホルモン」とも呼ばれ、ストレスを和らげ、気分を前向きにする効果があります。
ストレスは脳に悪影響を与え、記憶力や集中力を低下させることがあります。運動することでストレスが減り、脳がリラックスし、より良い状態を保てるのです。
ウォーキングで認知機能UP!
有酸素運動、筋力トレーニング、バランス運動、ストレッチなど様々な運動を取り入れて実践することが良いのですが、その中でも今回は、有酸素運動(ウォーキング)についてご紹介します。
「運動が脳に良いのは分かったけど、続けられるか不安…」そんな人におすすめなのがウォーキング です。特別な道具がいらず、どこでも気軽にできるため、運動習慣を身につけるのに最適です。
脳を活性化するウォーキングのやり方
1.正しい姿勢を意識する
猫背や前かがみの姿勢では、十分に酸素を取り込めず、効果が半減します。
以下のポイントを意識して歩きましょう。
・背筋を伸ばす
・視線はやや遠くを見る
・肩の力を抜く
・腕を大きく振る
歩幅や歩く速さは自分に合ったもので、無理なくできることが大切です。
2.30分以上歩く
脳の血流が増え、BDNF(脳由来神経栄養因子)が分泌されるには、ある程度の時間が必要です。
理想は 1回30分以上、週3〜5回のウォーキングを目指しましょう。
運動習慣がない方、運動が苦手な方は、最初は10分から始めて、少しずつ時間を伸ばす のがおすすめです。「ながらウォーキング」も取り入れると続けやすくなります。
・季節の花々を見ながらウォーキング
・周囲の景色を楽しみながらウォーキング
・仲間と話しながらウォーキング
季節を五感で感じながら歩くのは脳への刺激に最適ですので、ぜひ試してみてください。
3.「脳トレウォーキング」を試す
ウォーキングに「考える」要素を加えると、さらに脳が活性化します。
・しりとりをしながら歩く
・歩きながら計算問題を解く
・景色の中から「赤いもの」を探す
このように、歩きながら頭を使うことで 「運動+脳トレ」のダブル効果が得られます。
ウォーキングを続けるコツ
「運動は三日坊主になりがち…」という人でも、ウォーキングは続けやすい方法がたくさんあります。
1.目標を設定する
「1日30分歩く!」ではなく、達成しやすい目標 にするのがポイントです。
例えば、
「駅まで1駅分歩く」
「朝の10分だけ歩く」
「週に3回、公園を1周する」
など、小さな目標を立てることで無理なく続けられます。
2.音楽やポッドキャストを活用する
好きな音楽や、ポッドキャスト(インターネット配信の音声番組や音楽を聴くサービス)・オーディオブック(プロのナレーターや声優が書籍を読み上げてくれる「聴く本」)を聞きながら歩くと、「ウォーキング=楽しい時間」になります。
「ウォーキングの時間=趣味の時間」 にすることで、習慣化しやすくなります。
3.歩数を記録する
スマホの歩数計アプリやスマートウォッチを使って、「今日は◯歩歩いた!」 と記録をつけるのもモチベーションアップにつながります。
目標歩数を決めて、「昨日より100歩多く歩く」など、ゲーム感覚で楽しむ のもおすすめです。
但し、「〇〇歩歩かねばならない!」は禁物です。気軽に楽しむ気持ちを忘れないようにしましょう。
まとめ|ウォーキングで脳と体を元気に!
ウォーキングは、脳の血流を増やし、神経細胞を活性化し、ストレスを減らすことで、認知機能を向上させる効果があります。
特に、正しい歩き方や「脳トレウォーキング」を意識することで、さらに効果が高まります。
「最近、物忘れが多いな…」と思ったら、まずは 1日10分のウォーキングから始めてみましょう!
続けることで、脳も体も元気になり、毎日をより充実させることができます。ぜひ今日から、ウォーキング習慣を始めてみませんか?
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