大会メンバーやレギュラーに選ばれなかった君へ。 ~その悔しさは、未来の力になる~
子ども達が自分の力を信じ、目標達成に向けて進めるようお手伝いをするメンタルコーチの手塚幸恵です。
私は、水泳指導歴25年以上。これまでたくさんの子どもたちと関わってきました。
現在は、スポーツで頑張る小中学生を中心にメンタルサポートを行っています。
実は私自身も、子供の頃は人と話すのが苦手で、自分に自信がありませんでした。
しかし、考え方や心の使い方を学び、少しずつ自分を信じられるようになりました。
だからこそ今、スポーツや勉強、学校生活で頑張る子ども達に、「自分にはできる」と思える力を届けたいと考えています。

6月になると、中学校や高校では大会シーズンが本格的に始まります。
サッカー、野球、バスケットボール、バレーボール、陸上競技、水泳・・・。
どの競技でも、試合に出られる人数には限りがあります。
そのため、
「レギュラーに選ばれなかった」
「ベンチ入りできなかった」
「補欠になった」
「大会メンバーから外されてしまった」
という経験をして、今、深く落ち込んでいる子もいるかもしれません。
もし、あなたが今そんな苦しい状況にいるなら、ぜひ最後まで読んでみてください。
今日、あなたにどうしても伝えたいことがあります。
それは、
「選ばれなかった自分には価値がない」なんてことは絶対にない
ということです。
そしてもう一つ。
選ばれなかった経験こそが、あなたをここから大きく成長させる大チャンスになる
ということです。
悔しくて、納得いかずに辞めてしまった私の過去
実は私は、小学生の頃にシンクロナイズドスイミング(現在のアーティスティックスイミング)をしていました。
周りより体が小さかった私は、人一倍練習して技術を磨いても、チームメンバーを選ぶ場面では、いつも身長や体格を理由に外されることがありました。
ある年のことです。
私は誰よりも練習しました。
「今度こそ絶対に選ばれる!」と本気で信じていました。
しかし結果は・・・・
選ばれませんでした。
納得できなかった私は、勇気を出してコーチに理由を聞きに行きました。
返ってきた答えは
「技術は十分にある。けれど今回は、同じ学年でチームを組んだから」
というものでした。
当時の私は到底受け入れられませんでした。
「そんなの理由にならない!どういうこと!?」
悔しさと怒りでいっぱいになり、「もう辞める!」と言って、チームを飛び出してしまいました。
今でも時々思います。
あの時、感情のまま諦めずに続けていたらどうなっていただろう。
なぜなら私は、本当にシンクロが大好きだったからです。
だから私は、同じような理由で大好きなスポーツを諦めてしまう子を一人でも減らしたいと思っています。
辛いことがあっても、心の力を育てながら前に進んで欲しい。
そんな願いを込めて、この先の乗り越え方をお伝えします。

落ち込むのは「本気で頑張った証拠」
メンバー発表の後、
帰り道で涙がこぼれた人もいるでしょう。
家に帰ってから一人で泣いた人もいるかもしれません。
まず、知っておいてほしいことがあります。
それは、「悔しいと思うのは当たり前」ということです。
・毎日、きつい練習を頑張った
・朝早く起きて練習した
・遊びたい気持ちを我慢した
・暑い日も寒い日も続けてきた
それだけたくさんの「本気」を積み重ねてきたからこそ、これだけ悔しいのです。
本気で頑張ったからこそ、心が痛むのです。
頑張っていなかったら、こんな気持ちにはなりません。
「悔しいと思っちゃダメだ」
「気にしないフリをしよう」
そうやって、無理をする必要はありません。
「悔しい」
「悲しい」
「腹が立つ」
「納得いかない」
その気持ちをまず認めてあげましょう。
感情に正解も不正解もありません。
まずは自分の心に素直になることが大切です。

「試合に出られない=自分はダメ」ではない
選ばれなかった時、多くの子どもが勘違いしてしまうことがあります。
それは、
【試合の結果=自分の人間の価値】だと思い込んでしまうことです。
試合に出られない
↓
自分は下手
↓
自分はダメな人間だ
↓
どうせ頑張ってもムダ
こんな考え方になってしまうことがあります。
でも、本当にそうでしょうか?
もし、大切な友達が同じ状況だったら、
「お前はダメな人間だな」
なんて言いますか?
きっと言わないはずです。
「頑張ってたじゃん!」
「前より成長してるよ!」
「またチャンスはあるよ!」
そう声をかけるのではないでしょうか。
それなら、自分にも同じ言葉をかけてあげてください。
選ばれなかったことと、あなたの価値は全く別の話です。

一流選手にも「選ばれない時期」がある
テレビで活躍しているトップアスリートも、最初から順風満帆だったわけではありません。
野球の大谷翔平選手も、子供の頃からずっと成功だけを経験してきたわけではありません。
サッカー選手も、水泳選手も、オリンピック選手も、みんな悔しい経験や失敗をしています。
・試合に出られなかったこと
・ケガをしたこと
・思うような結果が出なかったこと
そうした経験を何度も乗り越えて今があります。
今のあなたとトップ選手の違いは才能だけではありません。
大きな違いの一つは
苦しい時に辞めなかったことです。

成長する選手が使う「まだ」の魔法
スポーツ心理学には、「成長マインドセット」という考え方があります。
簡単に言うと、
「人は努力や工夫によって成長できる」
という考え方です。
成長する選手は、
「自分には才能がないからダメだ」
とは考えません。
代わりに、
「今はまだ、できていないだけだ」
と考えます。
この「まだ」という言葉には、大きな力があります。
・今はまだ選ばれていない。
・今はまだ試合に出られない。
・今はまだ目標に届いていない
でも、
未来まで決まったわけではありません。
あなたの可能性は、まだまだこれからです。

「ライバル」ではなく「昨日の自分」を見る
選ばれなかった後は、
「あいつばかりが選ばれている」
「なんで自分じゃないんだ」
と、考えてしまうことがあります。
でも、他人と比べ続けると、心はどんどん苦しくなります。
なぜなら、「他人のこと」は自分にはコントロールできない(変えられない)からです。
・監督の判断
・ライバルの実力
・チームの事情
これらは、あなたがいくら悩んでも変えられません。
一方で、
・今日の練習への取り組み方
・自主練をするかどうか
・仲間への声かけ
・挨拶、応援
これらは自分で変えられます。
メンタルトレーニングでは、
「自分でコントロールできることに集中する」
ことをとても大切にしています。
比べる相手はライバルではありません。
昨日の自分です。

悔しさを力に変える「メンタルノート」の書き方
ここで、今日から実際にやってみてほしいことがあります。
ノートを1冊準備してください。
ステップ①:心の中のモヤモヤを全部書き出す
悔しい
ムカつく
悲しい
辞めたい
どんな言葉でも構いません。
誰にも見せないノートです。
思い切り書き出しましょう。
すると、
「あ、自分はこんなに悔しかったんだ」
と、自分の気持ちが整理されます。

ステップ②:変えられないことと変えられること2つに仕分ける
頭の中が少しスッキリしたら、ノートの真ん中に1本、縦線を引いてみましょう。
そして、
左側に「自分では変えられないこと」
右側に「自分の努力で変えられること」
を書き分けていきます。
-
左側(変えられないこと): メンバーから外された事実、監督の決定、ライバルの実力
-
右側(変えられること): 自主練習、食事、睡眠、声かけ、練習への取り組み方
右側の「自分で変えられること」だけに集中しましょう。

ステップ③:次の行動を1つ決める
大きな目標はいりません。
・素振りを10回増やす
・自主練を5分やる
・苦手なプレーを動画で学ぶ
小さな一歩で十分です。
未来は今日の行動で変わります。

保護者の皆さまへ:子どもの悔しさを支えるために
お子さまがレギュラーになれなかったり、試合に出られなかったりして、落ち込む姿を見るのは、本当に辛いものです。
そんな時、
「もっと頑張りなさい!」
「監督の見る目がないのよ」
という言葉をかけたくなることもあるでしょう。
しかし、その前にぜひしていただきたいことがあります。
それは、
共感することです。
「悔しかったね」
「頑張っていたもんね」
まずは感情を受け止めてあげてください。
そして、
「結果がどうであっても、あなたのことが大好きだよ」
と伝えてあげてください。
子どもにとって最大の安心は、
無条件で味方がいることです。
私がサポートしている子ども達も
・失敗を引きずらなくなった
・緊張に強くなった
・自分で考えて行動できるようになった
・チャレンジを怖がらなくなった
など、少しずつ心の成長を見せてくれています。
スポーツの結果だけでなく、
どんな状況でも前を向いて行動できる力は、一生の財産になります。

まとめ
今回、あなたは選ばれなかったかもしれません。
レギュラーになれなかったかもしれません。
試合に出られなかったかもしれません。
でも、それで終わりではありません。
むしろ、個々からどう行動するかで未来は大きく変わります。
選ばれなかった悔しさを知っている人は、人の痛みが分かる人になります。
そして、悔しさを乗り越えた人だけが、本当の意味で強い選手になれます。
私は、今苦しんでいるあなたにも、その力が必ずあると信じています。
数か月後、あるいは数年後、
「あの時の悔しさがあったから今の自分がある」
そう笑顔で振り返る日がきっと来ます。
さあ、明日からの練習で、小さな一歩を踏み出してみましょう。
その一歩が、未来の大きな成長につながっていきます。

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