脳の働きを知って、認知機能向上に役立てよう
福島県いわき市で活動している健康運動指導士、介護予防運動指導員の手塚幸恵です。
認知機能低下予防が期待できるシナプソロジー®というエクササイズの教育トレーナーであり、メンタルトレーナでもあります。運動することは脳の認知機能に良い影響を与えることが分かっています。運動のこと脳のことを分かりやすくお伝えし、運動実践につなげていただきたいと思っています。
脳の働きは場所ごとに違う
「最近物忘れが多かった」「もっと集中できるようになりたい」と感じたことはありませんか?脳は、頭司令塔として、考える・話す・動くような役割を果たしています。でも驚くことに、脳はまるで工場のように「仕事を分担」しているのです。脳にはそれぞれの役割があり、その場所ごとに働き方が違うのです。ですから、偏った使い方をしていると、特定の場所ばかり働くことになってしまうのです。脳の認知機能を高めるには、満遍なく脳を使うようにすることが大切となります。今回は、脳の場所と役割についてお話しします。偏った脳の使い方をしていないか?普段の生活を振り返ってみましょう。
偏った使い方をしてしまうとどうなるの?
いつも同じことばかりしていると、脳の特定の部分しか使われなくなり、他の部分が衰えてしまうことがあります。
こんなことはありませんか?
・テレビばかり見ている
➡テレビを見ることは、目からの情報入力が得られることや、好きな番組を見てリラックスして脳の活動を休ませる意味では良いです。しかし、毎日テレビばかり見て人としゃべることをしなかったり、体を動かすことをしないと、それらの部分が休眠状態となって機能が低下する恐れがあります。
・同じ仕事しかしていない
➡慣れたことを行う時は考えなくても体が覚えているので、脳で「考える」「試行錯誤する」といったことをしなくても済んでしまいます。また、その仕事に必要な部分しか使われず、他の部分の機能が低下する可能性があります。
4つの場所と役割
大脳は4つの場所に分けられます。場所を表す用語を「葉」といい、前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉に分けられます。
それぞれの場所でどのような役割を果たしているのか、具体的に見ていきましょう。
1. 前頭葉・・・意思決定や計画、問題解決、感情の制御などを司る
日常生活で使う計画力や創造力、社会的な判断力などもこの部分に依存しています。例えば、料理のレシピを考えたり、スケジュールを立てる際に活躍します。
2. 頭頂葉・・・知覚や感覚、空間、時間、味覚の認識を司る
物の位置を把握したり、触覚や温度感覚を感じたりするのはこの部分のおかげです。例えば、部屋の中を歩き回る際の空間感覚や、物を手で触ったときの感触を感じる能力に関与しています。
3. 側頭葉・・・聴覚や記憶を司る
記憶や言語の理解、聴覚に関わっています。音楽を楽しんだり、会話を理解したり、過去の出来事を思い出すときに重要な役割を果たします。
4. 後頭葉・・・視覚を司る
目で見た情報を処理し、私たちが物を認識したり色や形を理解したりするのに必要です。風景を見たり、テレビを見たりする際には、後頭葉がフル稼働しています。
セルフチェックで日常生活を振り返ってみましょう
脳の様々な部分を満遍なく使えているかを知るためのセルフチェック項目を10個ご紹介します。ご自身の状況に当てはまるものを数えてみましょう。多くの項目にチェックが入っていれば、脳の様々な部分を活発に使っていると言えるでしょう。
1. 新しいことを学ぶことは好きですか?
(例えば、新しい料理に挑戦する、新しい趣味を始めるなど)
2. 新聞や本を読む習慣はありますか?
(様々なジャンルのものを読むように心がけていますか?)
3. 人と話す機会はありますか?
(家族や友人との会話だけでなく、新しい人とも積極的に話しますか?)
4. 計算をする機会はありますか?
(買い物での計算や、簡単なパズルを解くなど)
5. 体を動かすことは好きですか?
(散歩や体操など、軽い運動をしていますか?)
6. 地図を見て目的地まで行くことができますか?
(新しい場所に行く時、地図やナビを使わずに道を探せますか?)
7. 物事を覚えるのが得意ですか?
(人の名前や、約束事を忘れることは少ないですか?)
8. 何か新しいことを始めようと思った時に、すぐに行動に移せますか?
(新しいことに挑戦するのをためらったりしませんか?)
9. 様々な種類の音楽を聴きますか?
(好きな音楽だけでなく、新しいジャンルの音楽も聴いてみますか?)
10.問題にぶつかった時、自分で解決しようとしますか?
(人に頼らず、自分で考えようとする努力をしていますか?)
今日からできる!簡単脳トレ
毎日同じことの繰り返しだと脳の特定の場所しか使わないので、他の場所の働きが鈍くなってしまうかもしれません。満遍なく脳を使う生活を心がけましょう。お勧めは、先程のセルフチェックで当てはまらなかった項目にチャレンジしてみることです。
その他に簡単にできる3つをご紹介しますので、合わせてチャレンジしてはいかがでしょう。今までの自分ならば、絶対に選ばないと思うものを実践すると良いです。
1. 次の日の予定を立ててみる
予定を立てることは「考える」「計画する」「想像する」脳の働きがあります。あれこれ考えてワクワクすることも脳には良い影響を与えます。今日とは違う明日になるように考えてみましょう。
2. 人と会って会話をしましょう
会話をすることは「相手を見る」「相手の話を聴く」「話の内容を理解する」「理解して応答する」など様々な脳の働きがあります。
3. 日記を書いてみましょう
一日を振り返ることは記憶の整理にもつながります。日記を書きながら、次の日の予定を考えるのも良いですね。
年だから仕方ない、とあきらめないで!
物忘れなど日常のちょっとした変化に「年だから仕方ない」とあきらめずに、認知機能を維持するための対策をとることが大事です。
健脚健脳の「健康体操教室」を行っています
いわき市郷ケ丘において健康体操教室を開催しています。
自立と自律を目指して、誰でも無理なく、笑顔でできる体操をモットーに行っています。
ご興味ある方はぜひ!見学や体験にお越しください。
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